ZINEを作っていて悩むのが、製本を依頼する印刷会社。作ったことがないと、印刷会社をどう選んだらいいかわかりませんよね。
私は今までに5冊のZINEを出し、イベントにも7回以上参加しています。他にZINEを作っている方にも作り方を尋ねて、どこの印刷会社を使ったかヒアリングしてみました。
ジャンルや紙、綴じ方によって最適な印刷会社は異なります。この記事では、ZINEの印刷におすすめの印刷会社を3社紹介します。
ZINEを作れる印刷会社おすすめ3つ
ZINEにおすすめの印刷会社は、次の3つです。
印刷会社 | ラクスル | ちょ古っ都製本工房 | グラフィック |
メリット | 条件によってはコンビニ印刷より安い 土日祝日も営業日なので、納期が早い | 値段がお手頃 製本がキレイ | RGB印刷ができる 用紙の選択肢が多い |
デメリット | 表紙の選択肢が少ない | コート紙の選択肢が少ない 入稿の形式が特殊 | 値段はやや高め |
最低部数 | 1部~ | 1部~ | 1部~ |
参考価格(A5・20ページ) | 3,808円 | 6,250 円 | 6,500円 |
こんな人におすすめ | アート系のZINEを作りたい | エッセイ、小説など文章メインのZINEを作りたい | パワポ、WordでZINEを作りたい |
なお、参考価格は次の条件で注文した場合の値段を見積もりました。
- A5冊子
- 20ページ(表紙、裏表紙込み)
- 10部
- 納期は4~5営業日
- 中綴じ製本
- 表紙・本文フルカラー
- 表紙・本文は光沢紙(コート紙)
- PP加工なし
ZINEの仕様やニーズによって使い分けましょう。
アート系のZINEを作るならラクスルがおすすめ
(引用元:https://raksul.com/)
アート系のZINEを作るなら、コート紙や入稿データの選択肢が多いラクスルがおすすめです。
ラクスルのメリット | ラクスルのデメリット |
条件によってはコンビニ印刷より安い 土日祝日も営業日なので、納期が早い | 表紙の選択肢が少ない |
ラクスルのメリット
ラクスルのメリットは、何より安くて仕上がりが早いこと。特殊な印刷、用紙でなければラクスルが一番おすすめ。
A5の冊子をコンビニでフルカラー印刷すると、1冊あたり500円かかります。ラクスルで印刷すると、1冊あたり約380円(5営業日)~523円(翌営業日)。一番高いプランでも、コンビニ印刷とほぼ変わりません。
また、納期の早さもポイント。ほとんどの印刷会社では、土日祝日を営業日としてカウントしません。金曜日に5営業日の注文をしたら、納期は翌週の金曜日になります。
しかしラクスルの納期だと、土日を飛ばさないため納期は水曜日。
イベント前で急いでいるときは助かります!
ラクスルのデメリット
雑誌のようなZINEを作る分には問題ないのですが、表紙の選択肢が少なめ。カジュアルなZINEを作るにはおすすめですが、シックな製本をしたい人には物足りないかもしれません。
最初はとりあえずラクスルで作ってみて、こだわりたいところが出てきたら他の印刷会社を使っても良さそうです。
文章メインのZINEを作るならちょ古っ都製本工房がおすすめ
(引用元:https://www.chokotto.jp/)
文章メインのZINEを作るなら、ちょ古っ都製本工房がおすすめ。
私はエッセイZINEを作るとき、いつもちょ古っ都製本工房を利用しています!
ちょ古っ都製本工房のメリット、デメリットをまとめました。
ちょ古っ都製本工房のメリット | ちょ古っ都製本工房のデメリット |
値段がお手頃 製本がキレイ | コート紙の選択肢が少ない 入稿の形式が特殊 |
ちょ古っ都製本工房のメリット
ちょ古っ都製本工房のメリットは、手頃な値段で本格的な製本ができること。表紙の選択肢も多く、製本もキレイ。文学フリマのZINEでも、ちょ古っ都製本工房で製本された作品を多く見かけます。
特に文章メインのZINEにはちょ古っ都製本工房がおすすめ。
ちょ古っ都製本工房のデメリット
ちょ古っ都製本工房は、入稿データの形式がPDF、Word、紙版のみ。aiデータなどデザインソフトの形式が使えません。コート紙の選択肢も少ないため、デザイン系のZINEには不向きです。
私はInDesignでデータ作成→PDFに変換して入稿しています。
RGB印刷をするならグラフィックがおすすめ
(引用元:https://www.graphic.jp/)
グラフィックのメリット、デメリットをまとめました。
グラフィックのメリット | グラフィックのデメリット |
RGB印刷ができる 用紙の選択肢が多い | 値段はやや高め |
グラフィックのメリット
グラフィックのメリットは、用紙や印刷の選択肢が多いこと。
グラフィックはRGB印刷に対応しています。
RGBで作ったデータをCYMK変換せずに印刷すると、データと実際の冊子で色合いが変わってしまいます。WordやパワポはRGB→CYMKに変換できません。色合いを保ったまま印刷できるのが「RGB印刷」。
以前イベントでお会いした方がパワポでZINEを作り印刷したところ、通常の印刷では色合いが変わってしまい、クオリティに満足できなかったそうです。
グラフィックのRGB印刷にしてから理想に近い発色ができたため、それからはグラフィックを使っていると言っていました。
グラフィックのデメリット
紹介した3社の中では値段がやや高め。グラフィックはクオリティ重視の方におすすめです。
用紙や加工の選択肢が豊富な分、値段が高めになってしまうのは仕方ないかもしれません。
ZINEの印刷会社を選ぶポイント
ZINEを作るとき、何を決め手に印刷会社を選べばいいかわからない人もいるはず。印刷会社を選ぶときのポイントをまとめました。
- 値段
- 納期
- 用紙
- 綴じ方
どこにウエイトを置くかはその人次第です。標準的な用紙、綴じ方、クオリティはどの印刷会社でもできるので、こだわりがなければ値段で選べばOK。
値段
同じ条件で印刷しても、印刷会社によって値段は異なります。先ほど紹介した印刷会社だと、同じ納期ならラクスル>ちょ古っ都製本工房>グラフィックの順にお得。
なお、印刷会社によってはオフセット印刷、オンデマンド印刷があります。少部数ならオンデマンド印刷、200部~300部くらい印刷するならオフセット印刷の方が割安です。基本的にはオンデマンド印刷がおすすめ。
制作費用については、こちらでも紹介しています。
納期
納期は翌営業日~10営業日くらいが相場。納期が長い方が値段も安くなります。
私は基本的に一番長い納期を利用し、トラブルで入稿が遅れた場合だけ納期が短いコースを選んでいます。入稿データに不備があったときのリカバリーも安心。
用紙
印刷会社によって使用できる用紙は異なります。
ZINEの紙選びについては、こちらも参考にしてください!
今回紹介した印刷会社だと、選択肢はグラフィック>ちょ古っ都製本工房>ラクスルの順に多くなります。
印刷会社のホームページから注文すれば、用紙見本を送ってもらえます。こちらはラクスルの用紙見本。
綴じ方
無線綴じ、中綴じは基本的にどの印刷会社でも対応しています。印刷会社によって、それぞれの綴じ方が使えるページ数が若干異なるので注意。
無線綴じは、のりで本の背をまとめる製本。ページ数が多いZINEにおすすめ。
中綴じとは、本の背でホチキスを留める方法。4~20ページくらいのZINEにおすすめ。
特殊な綴じ方もありますが、対応している印刷会社を探す必要があります。レトロ印刷では、糸で綴じるミシン製本も。
まとめ
今回はZINEを作るためにおすすめの印刷会社を3社紹介しました。
コンビニ印刷、自宅プリンターでもZINEは作れますが、やはり印刷会社に注文したZINEの方がキレイです。製本の手間もかからず、入稿したらあとは到着を待つだけ。私も基本的には、印刷会社にZINEを作ってもらっています。
クオリティの高いZINEを作るためにも、印刷会社選びは大事。紙や入稿データの方法を事前にしっかり確認しておき、納得のいく仕上がりにしましょう。