InDesignでZINEを作りたい方へ。
イラレやフォトショに比べるとあまり使っている方が少なく、初めてInDesignを使う方も多いでしょう。慣れるまで時間はかかるものの、一度InDesignの作り方に慣れてしまえば本格的なZINEを自分で作れます!
この記事ではInDesignでZINEを作る方法を紹介します。
InDesignではいきなり作り始めるのではなく、全体の構成を考えてから最初にフォーマットを決めるのがコツ。この記事でとりあえず全体の流れを抑えておけば、完成までの道筋を立てられます。

これからInDesignでZINEを作る方は、ぜひ参考にしてください!
この記事では、エッセイZINE『毒親育ちが大人になってから』を作ったときの作り方を例にしています。『毒親育ちが大人になってから』はBOOTHで購入できます。
InDesignでZINEを作る流れ
InDesignでZINEを作る流れをまとめました。
- ドキュメントを作成する
- マスターページを作成する
- マスターページにテキスト、画像を流し込む
- 目次を作成する
- ブックとして1つのデータにまとめる
- 入稿データを作る
実際に作ってみた経験を踏まえて、スクショ付きで具体的に紹介します。
なお、記事1つで細かい動作を一つひとつ書くのは難しいので、ここではあくまで全体的な流れを説明しています。操作や具体的な設定については、Adobeのサイトか書籍を参照してください。
正直Adobeのサイトはわかりにくいため、私はこちらの書籍を使っています。



これ1冊が手元にあれば、基本的な操作は一通り調べられます!


設定に困ったら、実際に販売されているZINEを参考にしましょう。私も他のZINEを参考にしながら作っています。
ドキュメントを作成する


「新規作成>ドキュメント」よりドキュメントを作成します。
- ZINEのサイズ
- ページの向き
- 綴じ方
- 裁ち落とし
裁ち落としとは、実際のサイズにゆとりを持たせること。印刷時にページ端が見切れるのを防ぐために必要です。
なお、サイズ指定の際は塗り足しに注意。塗り足しについては後で説明します。
マスターページを作成する


InDesignはマスターページ(雛形になるページ)を作り、それに画像や文章を流し込んで作成します。マスターページを編集すると、原稿用紙のような画面が表示されます。
マスターページで次の項目を決めておきます。迷ったらそのレイアウトで数ページだけ試作して、実際に印刷して確認しましょう。
- グリッドの書式
- 行文字数×行数
- 天・ノド・地・小口
- ノンブル(隅にあるページ番号)
フォーマットに迷ったら、実際に同じサイズのZINEや本を見ながら設定すると安心です。ノドは最低でも6mm以上空けておきましょう。



私は最初、ノドが狭すぎて印刷会社から連絡が来ました…。
大見出し・小見出しは目次の作成で使うので、あらかじめ段落スタイルを登録しておきます。
マスターページにテキスト、画像を流し込む


マスターページが出来たら、テキストや画像を流し込みます。
最初のドキュメントで次の項目を設定します。WordやGoogle Docmentとはレイアウトが異なるので、流し込んだ後は必ず見た目を確認します。特に英数字は要注意。
- 大見出し・小見出し・本文の段落スタイル
- 英数字の向き(縦中横、欧文回転)
ドキュメントは章ごとに分けて作り、後でまとめて「ブック」という1つのデータにまとめます。順番がわかるよう、章ごとに「1-1」(1章の1番目)のように番号を振っておくとわかりやすくなります。
1つ作ったら見た目を確認し、設定を見直してから他のドキュメントを作ると手戻りを減らせます。
ブックとして1つのデータにまとめる


ドキュメントが一通り完成したら、ブックとして1つのデータにまとめます。
表紙・裏表紙を含めるかは印刷会社や入稿の方法次第です。私がよく使っているちょ古っ都製本工房では、本文と表紙を別々に入稿します。


目次を作成する


ドキュメントにまとめてから目次を作成します。設定が合っていれば、ほぼ自動で作れます。
入稿データを作る
InDesignのデータからPDFデータに書き出して入稿データを作成します。ドキュメントではなくブックで「ブックをPDFに書き出し」を選択します。
ブックのドキュメントを全選択した状態で、右上のメニューから書き出しができます。


トンボの有無、カラーパターンを指定してPDFファイルを作成します。後でも詳しく解説しますが、RGBではなくCYMKのカラーパターンになるよう設定します。
InDesignでZINEを作るときの注意点


InDesignを使っていて間違えやすいポイントをまとめました。
- マスターページは基本的に変えない
- 塗り足しの有無でサイズが異なる
- 入稿データはCYMKで作成する
後から修正するのは大変なので、初めは疑問点をその場で解決して進めましょう。



一度しっかりデータを作れれば、後半はその設定を踏襲すればいいので楽になります!
マスターページは基本的に変えない
一度マスターページを作ったら、原則としていじらない方が安全です。



1ページだけ修正しようとマスターページを触ってしまい、慌てて元に戻したことがあります…。
雛形のドキュメントを1つ保管しておき、それをコピーする形でドキュメントを流し込むと安心です。最初は流し込んでからテキストを確認し、マスターページの修正が必要な場合は早めに行いましょう。
塗り足しの有無でサイズが異なる
塗り足しが必要な場合、実際の原稿より数ミリ大きめに入稿データを作成します。塗り足しはページの端まで印刷したいときに使います。



私は表紙を塗り足しあり、本文を塗り足しなしで作成しています。
塗り足しをする場合、原稿のサイズを実際より数ミリ大きくする必要があるので原稿作成前に確認が必要です。
入稿データはCYMKで作成する
入稿データはRGBではなく、CYMKで作成しましょう。入稿データ作成時の設定から変更できます。
RGBとは画面上の色のことで、CYMKは印刷するときの色です。RGBのデータをそのまま印刷すると、画面上と色合いが変わってしまいます。
InDesignではCYMKに変換できますが、もしRGBのまま印刷したい場合は印刷会社の「RGB印刷」を使います。例えばグラフィックにはRGB印刷のサービスがあります。
自分で作るのが難しいなら、ココナラで外注するのもあり
この記事ではInDesignでZINEを作る流れをざっくり解説しました。Adobeソフトには月会費もかかるので、自力で作るのが難しい場合は外注もおすすめです。
ココナラではInDesignで版組みを依頼できます。経験のある人にお願いできるので安心です。


まとめ


今回はInDesignを使ったZINEの作り方を紹介しました。
勉強は必要ですが、慣れればデザイン初心者でも本格的なレイアウトのZINEが作れます。記事で紹介した流れさえ抑えておいて、細かい操作は調べればOK。
印刷は自宅のプリンターやコンビニプリントでもできますが、おすすめは印刷会社に依頼すること。
印刷会社はこちらにまとめているので、ぜひこちらも参考にしてください!

