『野中モモの「ZINE」 小さなわたしのメディアを作る』内容と感想

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先日『野中モモの「ZINE」 小さなわたしのメディアを作る』を読んでみました。

私は去年からZINEを作っていて、今までに5冊のZINEを出しています。改めてZINEについて知りたいと思い、この本を購入しました。

この本によると、ZINEを作る人のことを「ZINESTER」と呼ぶそうです。いちZINESTARとしてこの本の内容、感想をご紹介します。

ZINEに興味がある方、この本を買おうか迷っている方はぜひこの記事を参考にしてください!

目次

『野中モモの「ZINE」小さなわたしのメディアを作る』の内容は?

『野中モモの「ZINE」 小さなわたしのメディアを作る』の内容について、ざっくり紹介します。本書ではZINEの具体的な作り方ではなく、ZINEというメディアそのものについて書いています。

レビューを読むと「思っていたのと違った」という意見もありました。

買う前にチェックしておきましょう。

前半は野中モモさん自身のエピソード

本の前半は、野中モモさんの個人的なエピソードが書かれています。

といっても決してZINEと無関係ではなく、野中モモさんがZINEを知るきっかけや当時のZINEを取り巻く雰囲気についても触れているので、いわばZINEの歴史でもあります。

野中モモさんは1973年生まれ。1990〜2000年代ではまだDTPソフトが普及していないため、ワープロでZINEを作っていたエピソードが書かれています。レコード・CDショップでZINEを置いているお店もあったようです。

エンターテインメントとしてだけでなく、社会に対する主張をするためにZINEを作った話も載っています。

後半はZINEを作る人たちへのインタビュー

後半はZINEを作る人たちへのインタビュー記事が中心です。ZINEのコンセプトや作り続けるコツについて紹介しています。モノクロですが作品の写真も載っていました。

私はZINEを印刷会社で作ってもらっていますが、ここで紹介しているZINEは手書きやスクラップで作っているものも。ZINEの枠にとらわれない、自由な一面がうかがえます。

個人的に面白いと思ったのは北野留美さんの『オバケダイガク』。旅先の街を歩き、調べた内容や旅先の出来事を手書きでまとめています。味のあるイラストはZINEならでは。

2020年3月に出版されたので、情報がやや古いことも

『野中モモの「ZINE」 小さなわたしのメディアを作る』は2020年3月が初版。ちょうどコロナ禍が始まったころです。本書にはZINEを扱うお店やイベントについての情報も書いていますが、4年が経過しているので情報はやや古い場合があります。

実際に野中モモさんが運営しているZINEショップ「Lilmag(リルマグ)」を調べてみましたが、現在は閉鎖されておりTwitterアカウントの更新も止まっていました。他にも閉店してしまったショップや、現在は開催していないイベントもあるかもしれません。

最新情報はホームページ等で確認する必要があります。

ZINE作家が『野中モモの「ZINE」小さなわたしのメディアを作る』を読んだ感想

『野中モモの「ZINE」 小さなわたしのメディアを作る』を読んだ感想を紹介します。

ZINEの作り方を知るためにこの本を手に取った人は、予想と違う内容に面食らってしまうかもしれません。ZINEそのものを知りたい人にとってはおすすめの本です。

ZINEの作り方を書いているわけではない

最初に注意しておくと、『野中モモの「ZINE」小さなわたしのメディアを作る』はZINEの作り方を紹介した本ではありません。アイディアという意味では参考になるかもしれませんが、作り方を知りたい方向きではないと思いました。

作り方を期待して購入したら、ほしい内容が書いていない可能性も…。

実際の作り方については、こちらで紹介した「エディターズ・ハンドブック」が参考になります。

ZINEというメディア自体を深く知れる本

ZINEを作る前に「そもそもZINEって何?」という方にとっては、この本が参考になると思います。

本書では、ZINEを次のように定義しています。

「ZINE」は英語で、「個人または少人数の有志が非営利で発行する、自主的な出版物のことだ。

『野中モモの「ZINE」小さなわたしのメディアを作る(シリーズ日常術)』(野中モモ著・晶文社)

著者の野中モモさんはZINEのイベントを主催したり、ZINEのオンラインショップを運営したりしています。野中モモさんから見たZINEは、個人で利益を目的とせず作れるからこそ多様で自由なメディア。

ZINEの魅力を知るには最適な1冊です。

私もZINEで、自分の家庭についてぶっちゃけています…。

パーソナルな内容も書いていますが、これらはZINEだからこそ表現できることかもしれませんね。

2020年時点の情報ですが、ZINEのイベントやZINEを取り扱っている書店も紹介しています。ZINEを作るだけでなくZINEに関するイベントを企画したい方や、書店でZINEを置いてもらいたい方にも参考になるはずです。

ZINEを作りたいけどアイディアに悩んでいる人におすすめ

私が『野中モモの「ZINE」小さなわたしのメディアを作る』をおすすめするとしたら、こんな人を選びます。

  • ZINEを作りたいけれど、何について書いたらいいかわからない
  • 初めて作るので、ZINEを作るハードルが高い…
  • ZINEというメディアの文化をもっと知りたい

商業出版として本を出すなら、一定の売り上げを出すためにたくさんの人が興味を持つ作品を出さなければいけません。しかしZINEは個人で、少部数から作れるメディア。ニッチなテーマでも、個人的なエピソードでもOK。

「個人的なことでも、自分の主張したいことを書けばいいんだよ」と背中を押してくれます。

読んでいるうちにZINEを作りたくなります!

まとめ

今回は『野中モモの「ZINE」小さなわたしのメディアを作る』の内容と感想について紹介しました。

ZINEをテーマにした本は少なく、特に近年出版されたものはこれくらいしかありません(他は2010年代)。ZINEの文化についてもっと知りたい方は、ぜひ購入してみてください。

なお、購入する際はネット通販がおすすめです。

書店で探してみましたが、かなり大型の書店(池袋ジュンク堂など)でしか見つかりませんでした。

なお、このブログでもZINEの作り方や売り方を紹介しています。よかったらぜひ他の記事も参考にしてください。

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この記事を書いた人

フリーランスのライター。Webライターやブログもやりつつ、旅行記やエッセイ本を作っています。広告代理店を経て独立し、ライター歴は3年。

このブログではZINEを作る方法やイベント、Webライターのノウハウについて紹介しています!

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