『生きのびるための事務』を物書きがレビューしてみた

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先日、『生きのびるための事務』(著・坂口恭平、イラスト・道草晴子)を読んだので感想をレビューします!

『生きのびるための事務』は著者の坂口恭平さんが、無名の状態から好きなことだけで生計を立てるまでの道のりを描いたマンガです。2024年8月現在、販売部数は6万部を突破しています。

この本は、やりたいことや好きなことが決まっている人におすすめの本です。私も文章を書くのが好きなので、自分の作品で生計を立てられたらと思い読んでみました。

買おうか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

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目次

『生きのびるための事務』の感想

『生きのびるための事務』では、主人公の坂口恭平さんが事務員・ジムとの出会いを通して《事務》を学び、自分の好きなことで生活する術を身につける話です。

まずは読んだ感想をざっくりと書きます。

  • 《事務》とは好きなことで生きていくための方法
  • 10年後の生活から逆算して現在の行動を決める
  • 行動するきっかけがほしい人には最適

いざ読んでみると、タイトルの印象とは異なった部分もありました!

特に本書で登場する《事務》という言葉は、一般的な事務と違う意味で使っています。

《事務》とは好きなことで生きていくための方法

事務というと、書類や請求書を作る作業をイメージする人が多いでしょう。辞書で「事務」を引くと、次のように書かれていました。

書類の作成など、主として机の上で取り扱う仕事。

大辞林 第四版(三省堂)

おおよそイメージ通りでしょう。

しかし『生きのびるための事務』にとっての《事務》とは「好きなことで生計を立てるためのお金、スケジュールの管理」を指します。

普段、事務の仕事をしているから…と本書を読んだ場合、期待していた内容とは異なるかもしれません。

10年後の生活から逆算して現在の行動を決める

『生きのびるための事務』では、現在と10年後のスケジュールと収入をそれぞれノートに書き出します。夢を叶えるというより、目標地点(自分が思い描いた10年後の現実)に到達するために必要な行動を数字ベースで決定するという地に足のついた考え方が書いてあります。

10年後のスケジュールを決めるとき、ジムは主人公に言います。

《将来の現実》に楽しくないことは1秒も入れないでくださいね。

生きのびるための事務(原作:坂口恭平 漫画:道草晴子|マガジンハウス)

この本を読んでから、自分でも《事務》を実戦してみました。10年後の生活には楽しいことしか書いていないので、ワクワクしながら取り組めます。

数字を自分のケースで設定するため、仕事の相場は調べる必要があります。

マンガではパパっと書いていますが、いざ自分で書いてみると想像以上に難しいです。

行動するきっかけには最適

『生きのびるための事務』を自己啓発本と評している人もいますが、個人的には本書をフラットなハウツー本だと思っています。

一般的に自己啓発本は「気にしない方法」や「自分を好きになる方法」など、自分の気持ちに気付いたり変化を促したりするものが多いです。

一方、『生きのびるための事務』で語られるのは好きな物事を進めるための方法です。自己啓発的な側面もありますが、本書のメインは《事務》。「そもそも、そこまで打ち込めるほど好きなことがない」という人には活用しにくいかもしれません。

「まずはやりたいことを見つけたい」という場合、じぶんジカンの『自己分析ノート』がおすすめ。

『生きのびるための事務』はこんな人におすすめ

もし私が『生きのびるための事務』を誰かに紹介するなら、一言でいうと《事務》をすぐに実践できそうな人にします。具体的にはこんな人におすすめ。

  • やりたいこと、好きなことが明確な人
  • 安定よりも挑戦を目指したい人
  • 夢があっても、どう行動したらいいかわからない人

理由も含めて解説します。

やりたいこと、好きなことが明確な人

やりたいこと、好きなことで生活したい人にこそ『生きのびるための事務』をおすすめします。

音楽や文章、絵など好きなことはあっても、それだけで生活していくのは至難の業です。

実際に成功している人の本を読んでも、その人にしかできない再現性のないエピソードだと気付きガッカリしたことはありませんか?

『生きのびるための事務』にはもちろん坂口恭平さんの経験も書かれていますが、《事務》そのものは他の人にもできることです。

また、好きなことで生きたいと思ったとき悩むのが「自分に才能があるか」ということ。本書では才能について、こう書いています。

例えば、私は《才能》があるように見えますか?

ジムは《才能》に溢れてるよ。毎日書き続けているからね。

《才能》っていうのはそれだけです。いつまでも楽しく好きなことを、

続けられる《才能》があるってだけです。

生きのびるための事務(原作:坂口恭平 漫画:道草晴子|マガジンハウス)

やりたいこと、好きなことをこれからも続けたい人には、ぜひ『生きのびるための事務』をおすすめしたいです。

安定よりも挑戦を目指したい人

「好きなことをして生きていきたい」という考えを否定する意見も多いでしょう。

もちろんこの生き方にはリスクが付きものです。最初から稼げることはほとんどなく、軌道に乗るまでは最低限の収入しかありません。

家族に反対されることもあるはずです。確かに「会社員として働きながら、好きなことは趣味として続けたい」という生き方を選んだ方が生活は安定しますし、その生き方が合っている人もいるでしょう。

しかし、『生きのびるための事務』はそれでも好きなことで生きていきたい人の背中を押してくれます。本書のメインは《事務》ですが、締めくくりにはこう書かれています。

どうせ最後は、上手くいく!

生きのびるための事務(原作:坂口恭平 漫画:道草晴子|マガジンハウス)

挑戦したいけれど踏ん切りがつかない人は、この本が背中を押してくれるかもしれません。

夢があっても、どう行動したらいいかわからない人

漠然と実現したい夢を持っていても、そのために何をすべきかわからない人もいるのではないでしょうか。『生きのびるための事務』に登場する《事務》は、漠然とした夢を具体的な目標に落とし込むために役立つ考え方です。

《事務》 とは抽象的なイメージを数字や文字に置き換えて、《具体的な値や計画》 として見える形にする技術です。

その 《具体的さ》 というものには命が宿るんですよね。

生きのびるための事務(原作:坂口恭平 漫画:道草晴子|マガジンハウス)

本書を読んでから自分でオリジナルの計画を立てれば、漠然としていた夢が具体的な目標に変わります。目標のために今何ができるか明確になるので、最初の一歩を迷いなく踏み出すきっかけがつかめるはずです。

まとめ

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『生きのびるための事務』では主人公が出版社に持ち込んだり有識者の元へ飛び込んだりしていますが、ネットが発達した今なら個人ですぐに発信する選択肢もあります。

私が作っているZINEも活用できそう!

「坂口恭平だからできることだ」という意見もありますが、自分なりの《事務》を考えれば他の人でもできると思います。

  • やりたいこと、好きなことが明確な人
  • 安定よりも挑戦を目指したい人
  • 夢があっても、どう行動したらいいかわからない人

こんな人は、ぜひ『生きのびるための事務』を読んでみてください。

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この記事を書いた人

フリーランスのライター。Webライターやブログもやりつつ、旅行記やエッセイ本を作っています。広告代理店を経て独立し、ライター歴は3年。

このブログではZINEを作る方法やイベント、Webライターのノウハウについて紹介しています!

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