
もしかしたら、自分は毒親育ちかも…



毒親育ちに関する本で、おすすめがあったら教えてほしい。
この記事はそんな人のために書きました。
私は毒親育ちで、家庭や人との関わり方に悩んだ経験があります。毒親に関するエッセイや新書を読み漁っていたので、その中でも「読んで良かった」と思った本を紹介します。
毒親を直接扱っていなくても、生きづらさや愛着障害など関連するトピックが含まれている本ものせています。



気になる本があったら、ぜひ読んでみてください!
毒親育ちがおすすめする、「毒親」に関する本


毒親育ちの私が、「毒親」に関する本のおすすめを10冊紹介します。
本のタイトル | おすすめしたい人 |
---|---|
毒になる親 | 「そもそも毒親ってどんな意味?」という人 |
母という呪縛 娘という牢獄 | 教育虐待、母娘関係に悩む人 |
母が娘を殺すには | 母親との関係に悩む人、親にとらわれず自分の人生を歩みたい人 |
毒親育ちが大人になってから | 毒親育ちで、大人になってから仕事や生活に難しさを感じる人 |
毒親育ちの恋愛事情 | 恋愛や結婚にあたり悩んでいる毒親育ち |
親といるとなぜか苦しい: 「親という呪い」から自由になる方法 | 親がしんどいけど自分でも原因がよくわからない人、自分や親を客観的に分析したい人 |
なぜ人は自分を責めてしまうのか | 子育て中で子どもとの接し方に悩む人や、親とうまく距離を取れず悩んでいる人 |
愛着障害 | 大人になってからの人間関係に悩む人 |
機能不全家庭で死にかけた私が生還するまで | 極限の家庭環境を生きのびた人の話を読みたい人、親だけでなく兄弟姉妹との関係に悩む人 |
毒親に育てられました | 同じ毒親育ち当事者のエピソードを知りたい人、マンガ形式で読みたい人 |
カテゴリはかなりざっくりと書いています。
また、『毒親育ちが大人になってから』『毒親育ちの恋愛事情』は私が書いたZINEです。毒親育ちに悩む人へ向けて書きました。商業出版ではないのですが、通販でも購入できます。
毒になる親【新書】
『毒になる親』(スーザン・フォワード)は、「毒親」という言葉の語源になった本です。1999年発行とやや古い本ですが、今読んでもなお役に立ちます。
身体的な暴力や暴言、性的な虐待など、親により起こる問題が子供に与える影響について書いています。海外の例なので、日本よりかなり顕著な例が多い印象でした。
毒親育ち当事者による克明なエピソードも書かれているため、同じ毒親育ちの人は自分に近いケースを見つけられるかもしれません。
「そもそも毒親っていったいどんなもの?」という方におすすめ。ただ虐待の内容が具体的に書いてあるので、読んでいてつらくなりそうな人は要注意です。
後半には毒親を克服する方法として、親との「対決」を提案しています。
毒親を扱う本は多くあっても、克服する方法を書いた本は未だに多くありません。難しい方法ではありますが、親を乗り越えたいと思っているならぜひ一度読んでみてほしい本です。
母という呪縛 娘という牢獄【ノンフィクション】
母親を殺害してしまった女性を取材し、生い立ちから犯行時、そして現在までを追ったノンフィクションです。毒親育ちの中でも、特に教育虐待や母娘関係に苦しんでいる人におすすめ。
女性(仮名:高崎あかり)はずっと母親と2人暮らしで、常に母親のコントロールを受けて育ちました。医学部を目指して9浪するも願いは叶わず、看護学部へ。大学卒業を間近に控えたとき、事件は起こりました。
家庭の他に居場所がなく、あかりへの教育と支配に全てを捧げた母親。母親からの支配から逃れようとするも、逃れられず次第に不信感にとらわれる娘。母娘という関係の難しさが克明に描かれています。



彼女ほどひどくはありませんでしたが、私も医学部への進学を強いられ、母親の過干渉に悩んでいました。
泣きながら読んだ一冊です。
母が娘を殺すには【文芸評論】
母と娘の関係の難しさを掘り下げ、フィクションを通して解決方法を探る文芸評論です。本書では「母殺し」という物騒な言葉を使っていますが、これは母を精神的に克服することを意味しています。
母との関係に悩んでいる方、母娘関係を描くフィクションに興味がある方におすすめです。
本書では母娘関係を描いた作品を年代ごとに母娘関係をどのように解釈していたか解説しています。昔から「母」という存在を乗り越える物語は多く存在していますが、どう乗り越えたか、乗り越えてからの「娘」はどう変化したかはそれぞれ異なります。
母を精神的に乗り越えるのがどれほど困難かがわかる本です。また、悩みと向き合うためには時にはフィクションが支えになることも。この本自身が役立つだけでなく、他のノンフィクションを知るきっかけにもなります。
毒親育ちが大人になってから【エッセイ&インタビュー】


商業出版ではないのですが、私が書いたエッセイも紹介します。前半は私のエッセイ、後半に毒親育ちにインタビューした内容を書いています。
私の父はアルコール依存症で、母は過干渉でした。肉体的な暴力はほとんど受けなかったものの、暴言や過干渉など心の暴力に苦しみ、大人になってから仕事や人間関係で苦労しました。
本書では自分が大人になってからの生きづらさと、それにどう向き合ったかを書いています。私の話だけではなく、同じ毒親育ちの生い立ちについても後半でまとめています。



毒親育ちの方で、大人になってからの人間関係や仕事に悩んでいる人におすすめです。
また、意外にも教育関係者などご自身が毒親育ちでない方にもご購入をいただいています。
毒親育ちに関わる機会がある方や家庭問題に興味がある方にも、ぜひ本書を読んでいただけたら幸いです。
毒親育ちの恋愛事情【エッセイ&インタビュー】


『毒親育ちが大人になってから』の次に書いた作品。毒親育ちに関するエピソードの中でも、恋愛にスポットを当てて書いています。
恋愛は人の内面が顕著にあらわれるところ。家庭で愛着をうまく築けないと、恋愛でも苦労しがちです。私が恋愛や結婚する上で苦労したことや、悩みとどう向き合ったかを書いています。



毒親育ちは結婚しても、親だけでなく義実家との関わりが悩みの種になることもあります。
実親の被害が自分だけでなく、パートナーにまで及ぶ危険もありました。
毒親育ちで恋愛に悩んでいる人、将来結婚を考えていて同じ毒親育ちの体験を知りたい人におすすめの本です。
こちらの本でも毒親育ちにインタビューを行い、私以外の毒親育ちに対して恋愛に関する悩みを聞いています。毒親育ちで恋愛に悩んでいる人におすすめです。
インタビューの1つには毒親育ちのパートナーから話を聞いたものもあるので、「パートナーが毒親育ち」という方にもぜひ読んでもらえたらと思います。
親といるとなぜか苦しい: 「親という呪い」から自由になる方法
親がしんどいのはなぜか、毒親育ちによる生きづらさから自由になるにはどうすればいいか、について臨床心理学者が解説した本。次に紹介する『愛着障害』で有名な岡田尊司さんが監修しています。
本書では精神的に未熟な親を
- 感情的な親
- がむしゃらな親
- 受け身の親
- 拒む親
の4タイプに分類しています。



私の場合は父が「感情的な親」、母が「受け身の親」だったかも。
親の精神的な未熟さを言語化し、自分の生きづらさと向き合うのがこの本。
「不自由なく育ててもらったのに、なぜか親がしんどい…」
「親と話してから、ひどく疲れたり寝込んだりしてしまう」
という方にぜひ読んでほしいです。
なぜ人は自分を責めてしまうのか【新書】
カウンセラー・信田さよ子さんの公開講座をもとに作られた新書。実際に多くの人とカウンセリングした経験から、親子(特に母と娘)の間に起こる問題について書かれています。
講座を元にしているので読みやすく、少し難しい内容でもスッと頭に入ってきます。
親から離れる、距離を置く時に生まれる罪悪感の正体や、母親が子どもに共依存してしまう理由を社会的、心理的な側面から解説。
子どもに依存しないための子育てについても書かれています。



うちは父親がアルコール依存症、母親が過干渉という典型的な共依存家庭だったので、まさに実家で起きていた問題が書かれていました。
子育て中で子どもとの接し方に悩む方や、親とうまく距離を取れず悩んでいる方におすすめの一冊。
愛着障害【新書】
精神科医、岡田尊司さんの著書です。直接「毒親」という言葉は使っていませんが、関連性が高いと感じたので紹介しました。愛着障害や、アダルトチルドレンに興味がある人におすすめの本です。
「愛着障害」とは家庭で養育者との愛着がうまく形成されず、成長してからの情緒や人間関係に問題を抱える状態のこと。明らかな虐待を受けたわけでなくとも、愛着障害を起こす場合があります。毒親育ちも愛着障害に当てはまることが多い印象です。
愛着障害には「不安定型」と「回避型」があり、どちらも人との適切な距離感をとるのが難しい傾向があります。



私は「回避型」。人と打ち解けたり、人に頼ったりするのが苦手です。
巻末には愛着スタイル診断テストも付いているので、自分がどの型に当てはまるか知りたい方はぜひ買ってみてください。自分の愛着スタイルに問題があってもすぐに治るわけではありませんが、原因がわかると安心します。
機能不全家庭で死にかけた私が生還するまで【エッセイ】
機能不全家庭で育った筆者による、ノンフィクションエッセイです。
親との関わりに苦しみ、大人になってからもなお生きづらさに悩んでいる人におすすめです。また、親だけでなく兄弟姉妹との関係に悩む人も、この本に共感できるはずです。
アルコール依存の父、過干渉の母、家庭内暴力を振るってくる兄と育った筆者。親からの暴力に加え、この筆者は兄からの暴力も受けていました。親だけでなく兄弟の問題も扱っている本は珍しいです。実家のエピソードも壮絶ながら、実家を出て親と縁を切ってからの生きづらさにも触れています。
今まで受けてきた治療や、治療を受けてからの変化も具体的に紹介しています。カウンセリングや投薬治療、スキーマ療法など数々の治療を受けた体験が書かれていました。



先ほど紹介した『毒親育ちが大人になってから』を制作するきっかけになった本です。
毒親に育てられました【エッセイ・マンガ】


毒親に育てられた作者・つつみさんが、自身の経験を綴るコミックエッセイです。
シリーズを通して、作者の小さいころから学生時代、社会人になり結婚して家庭を持つまでのエピソードが描かれています。一部のお話はインスタ、ブログでも見られます。
つつみさんは幼いころ祖父母に育てられ、あるときから母親と2人で暮らすようになりました。つつみさんは母親から身体的な暴力や暴言、経済的な制限を受けて育ちます。大人になってからも母親からの執拗な干渉を受け、うつになり働けなくなってしまった時期も。
マンガなので読みやすく、当時の気持ちが具体的に書かれています。似たような境遇で生きる人は、読んでいて共感できる場面も多いはずです。



個人的な共感ポイントは、おばあちゃんを含めて他の人から「親を大事にしないと」と言われるところ。
私も親との関係だけでなく、世間の目にも苦しみました…。
まとめ


今回は毒親に関するおすすめの本を紹介しました。
毒親育ちは難しい問題で、親と縁を切ってもどんな治療を受けても全ての問題が解決するわけではありません。気持ちがわからない人から心ない言葉をかけられることもあるでしょう。
そんなときには本が自分の支えになるかもしれません。
今回紹介した本は、どれも私が実際に読み、共感したり自分の生きづらさを掘り下げたりするために役立ちました。気になった本はぜひ読んでみてください。